消費税も確定申告するの?

消費税の確定申告とは

消費税の確定申告は、1年間の売上にかかる消費税から仕入れにかかった消費税を差し引き、国に納める税額を確定して申告する手続きです。

所得税の確定申告(3月15日締め)とは別の申告であり、申告期限も異なります。

ポイント 個人事業主の消費税申告の締め切りは翌年3月31日です。所得税の3月15日より2週間遅い点に注意してください。

消費税の申告が必要な人

次のいずれかに当てはまる個人事業主は、消費税の確定申告が必要です。

条件内容
インボイス発行事業者適格請求書発行事業者(インボイス登録)をしている
基準期間の売上が1,000万円超前々年(2年前)の課税売上高が1,000万円を超えている
課税事業者を選択した「消費税課税事業者選択届出書」を前年12月末までに提出した
特定期間の売上が1,000万円超前年の1月1日〜6月30日の課税売上高が1,000万円を超えている

上の条件に当てはまる場合、その年の売上が1,000万円以下でも申告が必要です。

注意 インボイス発行事業者として登録すると、売上規模にかかわらず課税事業者となり消費税申告が必要です。登録取り消しをしない限り免税事業者には戻れません。

計算方法の3種類

消費税の納税額の計算方法は3種類あります。自分がどれを使えるかを確認してから申告書を作成します。

一般課税(原則)

売上にかかった消費税から仕入・経費にかかった消費税を差し引いて計算します。

納税額 = 売上消費税額 − 仕入・経費の消費税額

仕入税額を控除するには帳簿とインボイス等の保存が必要です。

簡易課税制度

実際の仕入消費税を計算せず、売上消費税に一定の「みなし仕入率」をかけて計算する制度です。

納税額 = 売上消費税額 − (売上消費税額 × みなし仕入率)
  • 適用条件:前々年の課税売上高が5,000万円以下、かつ事前に届出書を提出済み
  • みなし仕入率は業種によって40〜90%で異なります

2割特例(経過措置)

インボイス制度をきっかけに免税事業者から課税事業者になった人だけが使える特例です。令和5年10月〜令和8年9月30日までの課税期間が対象です。

納税額 = 売上消費税額 × 20%

事前の届出不要で、申告書に「2割特例を適用する」旨を記載するだけで使えます。

補足 3つの計算方法のうち、インボイス登録した当初は「2割特例」が最も計算がかんたんです。基準期間の課税売上高が1,000万円を超えている場合は使えないため、確認が必要です。

準備するもの

  • マイナンバーカード(e-Tax送信に必要)
  • スマートフォン(「マイナポータルアプリ」をインストールしておく)
  • 1年間の売上・収入の記録(帳簿・請求書)
  • 仕入れ・経費の記録(一般課税の場合は特に重要)
  • 受け取ったインボイス(適格請求書)の保存分(一般課税の場合)
  • 所得税の青色申告決算書または収支内訳書(作成済みのもの)

消費税の申告は所得税申告と同じ数値をもとにすることが多いため、所得税の申告と合わせて準備するとスムーズです。

確定申告の手順

  1. スマートフォンで国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、「作成開始」をクリック
  2. 「e-Tax(マイナンバーカード方式)」を選択
  3. 申告の種類は「消費税及び地方消費税」を選択(所得税とは別の選択肢)
  4. 「マイナポータルアプリ」で本人確認(初めての場合は初期設定がある)
  5. 課税期間と基本情報を入力
    • 課税期間:1月1日〜12月31日(個人事業主の場合)
    • 申告方式:一般用 or 簡易課税用を選択する
    • 住所・氏名・マイナンバーを入力する
  6. 1年間の課税売上高(消費税がかかる売上の合計)を税率ごとに入力
  7. 仕入・経費の消費税額を入力(一般課税の場合のみ。簡易課税・2割特例の場合は不要)
  8. 計算結果(納付額または還付金額)を確認
  9. 送信前の申告データ(PDF)を確認
  10. 「送信」をクリックしてe-Tax送信
  11. 送信済みの申告データをダウンロード(保存)
  12. 入力データをダウンロード(保存)

申告期限と納税方法

項目内容
申告・納税期限翌年3月31日
納税方法ダイレクト納付(口座振替)・コンビニ払い・クレジットカードなど
中間申告前年の消費税額が48万円超の場合は中間申告・中間納付が必要
注意 前年の消費税の年税額が48万円を超えると、当年の中間申告・中間納付が必要です。忘れると延滞税がかかる場合があります。
まとめ 消費税の確定申告は、インボイス登録者または売上が一定以上の個人事業主が対象で、申告期限は翌年3月31日です。計算方法は一般課税・簡易課税・2割特例の3種類があり、それぞれ条件が異なります。確定申告書等作成コーナーから「消費税及び地方消費税」を選択し、e-Taxで送信すれば手続きが完了します。

参考・出典


この記事の情報は2026年4月時点のものです。制度は改正される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。